2017新米レビュー③:大蔵村産ミルキークイーン

◆こんな美味しいお米、生まれて初めて食べました。

すごく甘くてビックリして…
 こんな美味しいお米、生まれて初めて食べました。
 このお米って送って頂くことは可能でしょうか?」

先週、
山形県外のお客様から立て続けに2件、
このようなお問合せを頂きました。

そのお米は大蔵村産のミルキークイーンです。

ということで、
山形米の専門店 尾形米穀店

三ツ星お米マイスターの尾形雄司です。

昨秋から始めた新米レビューが中々進まない…
というか、もう年も明けたので新米でもないのですが^^;
(新米と名乗れるのはその年の大晦日までです)
新米レビューを多めにしていきたいと思います。

【平成29年産ミルキークイーン】のレビュー

大蔵ミルキークイーン

  • お米の旨み ★★★★★(5)
  • お米の食感 ★★★☆ (3.5)
  • お米の粘り ★★★★★(5)
  • お米の香り ★★★★ (4)
  • お米のツヤ ★★★★☆(4.5)
    ※1 5段階評価で、粘りに関しては5に近づくほど粘りが強くなります
    ※2 食感に関しては5に近づくほど炊きあがりが固めで、食べ応えがあります
    ※3 上記はあくまで、尾形雄司の個人的な感想です。

◆好みの分かれる個性派品種

ミルキークイーンは好みがはっきり分かれるお米です。

その最たる理由が、とても強い粘り。
ミルキークイーンは尾形米穀店で扱うお米の中でも、
最も粘りが強い品種で、非常に強いモチモチ感があります。

粘りの控えめなササニシキと食べ比べてみるとその違いは顕著で、
ごはんを噛む時のあごの動くスピードが違います(笑)
ミルキークイーンは粘るので、いっぱい噛まないといけないんですね。

そのため、粘りのあるお米が好きな方は病みつきになりますが、
粘りのあるお米が苦手な方は、絶対リピートしません。
個性的な品種と言えると思います。

◆夢ごこちに次ぐお米の甘さ

さて、平成29年産のミルキークイーンですが、
お米の甘みがとっても強いなぁという印象を持っています。

元々、甘みの強い品種ではありますが、今年になって確信しました。

お米の甘さで見れば、夢ごこちに次いで2番目に甘みが強いのは、
この大蔵村産のミルキークイーンだと思います。

― 夢ごこちとミルキークイーンの共通点と違い

夢ごこちとミルキークイーンの2品種は、
系統的には兄妹?姉弟?のようなもので、
どちらもコシヒカリの突然変異種として開発されました。

なので、お米の甘みや強い粘りなど、似ている所も多いです。
この2品種で違いがあるのは香りとツヤの部分でしょうか。

◆炊きあがりのピカピカ感はつや姫以上

お米の見た目が綺麗なお米はつや姫が挙げられますが、
ごはんを炊いた時のピカピカ感はミルキークイーンが一番です。

JAさんの系列で「パールライス」というブランド&企業がありますが、
ミルキークイーンは正に真珠のようにピカピカしていて食欲をそそります。

― 29年産のお米はどの品種も少し見た目が悪い

ただ、平成29年産はどのお米もそうですが、
低温の影響を受けて、例年よりも見た目が少し落ちます。

ミルキークイーンも例外なく低温の影響を受けていて、
若干、未熟粒が多い(←は食味的には必ずしも悪い事ではないんですが)傾向なので、
本来であればお米のツヤは★★★★★ですが、
29年産に限っては★★★★☆(4.5)評価にしました。

◆冷めても固くならないと言われているけれど…

次は食感について。

ミルキークイーンは一般的には冷めても固くならないと言われていますが、
個人的にはこれはウソでしょと^^;

いや、たしかに冷めても米粒はかたくならないんですけど…
実際は、冷めるとだんごのように、ごはんの塊になります。

ごはんの塊になると、
箸でごはんを切り分けて食べるような感じになってしまって、
かなり食べづらくなってしまうんですよね。

これはミルキークイーンの強い粘りがもたらすネガティブな一面だと思います。

冷めて食味が落ちるわけでもないのですが、
食べにくさという観点で、個人的にはおにぎりやお弁当の用途には、
ミルキークイーンはオススメしないです。

◆ミルキークイーンは肉料理と相性が良いと思う

生姜焼き
ミルキークイーンは肉料理と合うと思います

では、ミルキークイーンが合う料理は何なのか?というと、

個人的には生姜焼きとかハンバーグとか焼肉とか、
そういった味の強い料理との相性が良いと思っています。

先述の通り、ミルキークイーン自体がお米の甘みが強いので、
味の濃い料理と一緒に食べても負けません。

ピカピカしたごはんに生姜焼きとか…
見た目だけでも食欲をそそりますよね(笑)

◆肥沃な土地にはミルキークイーンを植えない

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梅雨時の大蔵村 川沿いのような肥沃な土地にはミルキークイーンを植えないそうです

以前にも書いた内容ですが、
尾形米穀店のミルキークイーンの生産者・柿崎さん曰く、
ミルキークイーンは、苗を植える土壌選びが大切なんだそうです。

例えばつや姫は、栽培特性上、
稲の背丈が低くてしっかりしているので、
肥沃な土壌に植えても背丈が伸びず、
稲が倒れづらいらしいのですが、

稲の背丈が伸びやすいミルキークイーンを肥沃な土壌に植えると、
稲の背丈が伸びて収穫期に倒れやすくなり、
収穫量も品質も落ちてしまうんだとか。

そのため、大蔵村の柿崎さんは、
つや姫は川沿いの河岸段丘上の肥沃な土壌の田んぼに植え、
平野部の肥沃すぎない土壌の所に、
ミルキークイーンを植えるように分けているとのこと。

お客様から頂いたレビューでは、

これまでたくさんのミルキークイーンを注文してきましたが、
その中でも最上級のクオリティでした

というレビューも頂いています。

生産者さんの柿崎さんのこだわりが、
他のミルキークイーンとの違いを生んでいるのだろうなと思います。


ということで、今日はミルキークイーンでした。
まとめると、粘りと甘みが強くてピカピカ光る個性派品種。が、
ミルキークイーンです。

どちらかと言えば若者向き。もしくは、
年配の方でも元気で活発で健康的な方向きのお米かなと。

モチモチした粘りのあるお米が好きな方は、
一度ぜひミルキークイーンを食べてみて下さいね^^

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山形米の専門店 尾形米穀店

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