はじめに
こんにちは。山形のお米専門店「尾形米穀店」の尾形 厚志です。5月末から大手小売店で政府備蓄米の販売が本格的に開始され、ニュースでは「古米・古古米」という言葉も話題になっています。
実際にお客様からは…
- 「備蓄米って、どうなの?」
- 「備蓄米が出たら、値段はどうなる?」
- 「備蓄米は、仕入れますか?」
というご質問も多くいただいておりますので、当店の方針を明確にお伝えさせていただきます。
当店の方針「備蓄米・古米の取り扱いをいたしません」
前回のお知らせと方針は変わらず、尾形米穀店では今後も政府備蓄米と言われる 古米・古古米は取り扱わず、今まで通り今年の新米がでるまで山形県内の提携している生産者が育てたお米のみを販売いたします。

なぜ、備蓄米を扱わないのか?
その理由は以下の通りです。
品質面
- 納得できる味わいは期待できない
- 精米による鮮度保証ができない
- 古米と一緒に新米を精米できない
トレーサビリティの問題
- 生産者の顔や想いが見えない
- 栽培方法や産地の特徴が不明確
- 尾形米穀店セレクション 5つの基準を満たせない
と判断しました。
*トレーサビリティとは、「追跡可能性」と訳され、製品の原材料の調達から生産、流通、消費、廃棄までの全ての履歴を記録し、追跡できることです。
この度の「備蓄米」に関しましては、140年続く尾形米穀店の「生産者との信頼関係」重視の方針と「食卓に笑顔を」を重視させていただきます。
備蓄米 の影響と2025年6月最新状況
市場の動きと価格への影響は?
最近のニュースではこのような備蓄米関連の報道がされていましたのでまとめました。
備蓄米販売の実際
5月31日より大手小売店で販売が開始され、価格は5kg 約2,160円と通常価格の約半額に設定されました。しかし販売直後から多くの店舗で売り切れが続出し、ネット通販でも開始数時間で完売という状況のようです。
通常米の価格は下がらず
一方で、通常流通米の価格には変化が見られません。山形県産はえぬきは1俵38,000円前後(昨年同期の約2.8倍)。つや姫は45,000円超でも数量確保が困難な状況が続いております。
備蓄米放出による価格抑制効果は限定的とみています。
備蓄米で根本的な米不足は解決せず…
供給量の問題
今回の放出量21万トンは、日本の約1ヶ月分の消費量に過ぎません。
前年比44万トンの在庫減少分を補うには不十分で、一時的な効果はあるものの、構造的問題は未解決と言えます。
生産者の販路多様化により、JAへの集荷量が減少していることです。大企業の大口注文に対して例年の7割程度しか対応できない状況が続いており、企業の直接買付競争が激化し、価格高騰に拍車をかけています。
価格面では、流通業者が既存在庫の評価損を避ける動きや、備蓄米の入札価格が予想以上に高値となったこと、通常流通米の仕入れ価格が高止まりしていることが挙げられます。
供給面では、構造的な生産・流通の問題が変わらず、気候変動による収穫への不安や農業従事者減少という長期的課題が依然として残っています。
山形県産米にこだわります
尾形米穀店セレクション 5つの約束
- お米マイスターによる産地訪問と生産者確認
- 生産者の米作りへのこだわりと土地環境の理解
- 特別栽培米の厳選(農薬・化学肥料を通常の半分以下)
- 低温倉庫での適切な保管(15°C以下の徹底管理)
- 発送時は、当日精米による鮮度維持
農家さんとの信頼作りを重視
主な提携農家
- 鶴岡市・和名川ファーム佐藤さん:つや姫の土作り・水にこだわり
- 大蔵村・柿崎康宏さん:雪若丸の水管理のスペシャリスト
- 南陽市・しまさき農園さん:十代続く特別栽培米の専門家
他にもたくさんの信頼できる生産者さんからお米を頂いています。
お客様の声
実際に、お客様からは
- 「精米したての香りが全然違います」
- 「同じ品種でも、こんなに美味しいお米があるとは」
- 「生産者の顔が見えると、より美味しく感じます」
といったお喜びの声を多数いただいております。

令和7年産 新米 いつから?
2025年 令和7年産 新米の状況と見通し
品質への期待!
春の低温を乗り越え、生育は遅めですが苗は順調に成長しています。
複数の生産者さんから、「去年・一昨年は暑すぎて苗が伸びすぎてやりづらかったけど、以前の気候に戻った感じです。雪もたくさん降ったし、水不足の心配もありません」という心強い言葉を頂いています。
価格の見通し
残念ながら昨年並みの高値継続が見込まれます。ですが、尾形米穀店では、山形県内の生産者との直接取引により、可能な限りお値打ち価格で提供いたします。
新米 お届け 予定 時期:9月下旬〜10月初旬
今年の新米販売開始は、予約いただいた方を優先に、9月下旬から発送予定しております。
新米予約をご希望される方は、SNSフォローとメルマガのご登録をオススメいたします。
まとめ 変わらぬ想いで、食卓に笑顔を
備蓄米・古古米の販売というニュースがある中でも、尾形米穀店の信念は変わりません。
前回のお知らせと方針は変わらず、尾形米穀店では今後も政府備蓄米と言われる 古米・古古米は取り扱わず、今まで通り今年の新米がでるまで山形県内の提携している生産者が育てたお米のみを販売いたします。
尾形米穀店のお約束
- 価格競争ではなく価値提供:生産者の想いと新鮮さを重視
- 山形県産米への一貫したこだわり:140年の歴史で培った信頼を
- お客様の食卓に本物の笑顔を:安全で美味しいお米だけをお届け
令和7年産 新米が出るまでの間も、当店は変わらず山形県内の提携生産者が心を込めて育てた、私達が自信を持ってオススメできるお米のみを販売いたします。
お米選びでお悩みの際は、お気軽にご相談ください。五つ星お米マイスターとして、お客様一人ひとりに最適なお米をご提案いたします。
備蓄米・古米 古古米に関するよくあるご質問
この度の政府 備蓄米、古米 古古米 放出に関して、お客様からよくいただくご質問について、専門店の立場からお答えします。
Q1. 備蓄米放出によって、お米の価格は下がりますか?
A1. 備蓄米放出により一時的に市場供給量は増えますが、価格が大幅に下がる可能性は低いと考えています。お米の価格を下げる効果は限定的でしょう。
Q2. 備蓄米放出で米不足は解消されますか?
A2. 短期的には供給量増加の効果はありますが、根本的な解決には至らないと見ています。
農林水産省で毎月公開しているお米のマンスリーレポートによると、24年12月時点の在庫が、前年同期比で約44万トン少ないのに対し、
この度の備蓄米の放出量は約21万トンであり、放出しても昨年の同時期の在庫よりも少ない計算になり、不足気味の傾向が続くのではないかと見ています。
Q3. インターネットやフリマサイトでのお米購入は安全ですか?
A3. 個人間取引では品質管理面でのリスクがあります。
お米は入れ替えやブレンドが簡単な上、夏場は、温度・湿度管理の不備による品質劣化や、適切な精米技術がない場合の食味低下など、安全性と品質の両面で懸念があるため、慎重な判断が必要です。
Q4. 専門店でお米を購入するメリットは何ですか?
A4. 米穀専門店では、①産地・生産者の情報透明性、②適切な保管環境の維持、③注文に応じた精米による鮮度確保といった点で価値を提供しています。また、お客様のニーズに合わせた最適な品種提案も可能です。
Q5. 「尾形米穀店セレクション」の特徴を教えてください
A5. 当店独自の基準で厳選したお米です。
店主自らが産地訪問して確認した生産者のお米、特別栽培米を中心とした安全性の高い品種、低温倉庫での適切な保管と注文後の精米による鮮度維持にこだわっています。
Q6. 用途に合わせたおすすめ品種はありますか?
A6. 日常のごはん、お弁当、炊き込みご飯など、用途によって最適な品種は異なります。
お客様の好みや使用目的をお聞かせいただければ、最適なお米をご提案いたします。
Q7. 新米の予約はできますか?
A7. はい。現在、令和7年度産の新米の予約受付を準備しています。詳細は、メルマガを優先に、インスタグラム、LINE公式アカウントにて発信いたします。今年の新米が気になる方はメルマガにご登録ください。